洪水ハザードマップ
2013年12月24日
平成13年に水防法が改定され、国・都道府県は流域面積の広く、氾濫した場合甚大な災害になる恐れのある河川を洪水予報河川及び水位周知河川として指定し、指定河川について氾濫後の迅速な対応、被害の軽減を図るため、計画降雨時に氾濫した場合の浸水区域を浸水想定区域として指定し、広く公表することになりました。そして、浸水想定区域に指定された市町村は浸水想定区域と円滑な避難をするための必要な情報を洪水ハザードマップとして作成し、住民に対して周知させることが義務付けられました。(水防法第15条)
洪水ハザードマップは国土交通省水管理・国土保全局より公表された「洪水ハザードマップ作成の手引き」(平成25年3月)を元に作成します。この手引きにはマップの形態、記載内容、周知方法等が示されています。
記載内容のうち、原則として記載することが必要な共通項目と、地域の状況に応じて記載するかどうか市町村長が判断(選択)すべき地域項目が定められています。地図に関しては作成する市町村内だけではなく、隣接市町村の情報も記載します。これは災害の範囲は市町村内にとどまらず広範囲に広がっているため、市町村外の浸水範囲や危険箇所の情報も避難時には重要になるためです。
洪水ハザードマップの記載項目(共通項目)
記載項目 |
内容 |
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浸水想定区域と浸水深 |
範囲、浸水深、被害の形態等 |
洪水時家屋倒壊危険ゾーン |
国、都道府県が設定 |
避難所等 |
避難施設名称、所在地、電話番号等及び災害時使用可否 |
避難時の危険箇所 |
アンダーパス、浸水常襲箇所、小河川の横断箇所等 |
土砂災害警戒区域 |
土石流危険区域、急傾斜地崩壊危険区域 |
水位観測所等の位置 |
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浸水ランク等に即した避難行動の心得 |
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洪水予報等、避難情報の伝達方法 |
洪水予報、水位情報、避難勧告、避難指示等の伝達経路と伝達手段 |
洪水時に得られる情報と、その受信や取得の方法 |
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避難所等の一覧 |
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津波災害警戒区域に関する事項 |
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その他 |
水位観測所、雨量観測所の名称および所在地、ホームページアドレス、携帯電話用ホームページアドレス等 |
洪水ハザードマップの記載項目(地域項目の事例)
種 別 |
記載項目 |
内容 |
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避難活用情報 |
浸水想定区域以外の浸水情報 (浸水実績(破堤地点・浸水区域)、浸水予想、内水、浸水常襲地帯等) |
浸水範囲 出水年月日 出水要因 |
避難の必要な区域 |
避難が必要な区域 |
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河川のはん濫特性 |
はん濫水の流速 伝搬速度 浸水深 浸水深上昇速度 たん水時間 |
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避難時の心得 |
避難時に心がけておくこと |
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避難勧告等に関する事項 |
避難勧告、避難命令等の発令のタイミング 内容および行動指針 |
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地下街等に関する情報 |
名称 所在地 洪水時の危険性 |
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特に防災上の配慮を必要とする者が利用する施設情報 |
名称 所在地 |
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災害学習情報 |
水害の発生メカニズム、地形とはん濫形態 |
洪水の起こり方 河川堤防の破堤経過 |
洪水の危険性、被害の内容、既往洪水の情報 |
被害実績 降雨状況 浸水状況 被害状況 水害時の写真 当時の避難状況 |
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気象情報に関する事項 |
気象予報・警報の内容 |
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水害に備えた心構え |
平常時の心得 |