おしらせ

地震ハザードマップ

2013年12月18日

日本は世界有数の地震被害国です。そのため、地震についての研究が盛んに行われています。今後数十年内に起こるであろうと懸念されている東海地震に対する研究が特に進んでいます。また被害総額の大きい大都市圏の直下型地震についても研究されています。平成24年に東京都直下型地震について、新たな知見に基づいた被害想定調査が発表され、これまでの調査結果より被害が大きくなりました。

平成7年に起こった阪神・淡路大震災では、家屋の倒壊による犠牲者が多く、家屋の耐震化を行う事が地震被害を軽減する上で重要であると認識されました。しかし、新耐震基準(昭和56年)以前に建てられた家屋の約6割は耐震化を行う必要があるにもかかわらず、ほとんど対策がなされていないのが現状です。家屋の耐震化を効果的に進めるためには、住民の防災意識を向上させることが重要となります。そこで、全国の各自治体は地震ハザードマップを整備し、住民に対して家屋の耐震化の必要性を訴え、耐震化を促しています。

地震ハザードマップは揺れやすさマップ地域の危険度マップ液状化危険度マップ地震や耐震化に対する知識、災害時の情報等で構成されています。

揺れやすさマップは今後発生する確率の高い震源(断層)を元にシミュレーションを行い、その地域でどの程度の震度になるかを示した地図になります。通常は50mメッシュと呼ばれる格子状の範囲で算出します。震度の大きさは震源からの距離と地盤の硬さに左右され、地盤が柔らかいほど揺れやすくなります。つまり、震源からの距離がほぼ同じ地域でも、地盤が比較的硬い台地より地盤が柔らかい低地の方が震度は高くなります。

地域の危険度マップは揺れやすさマップで算出された計測震度を元に、揺れやすさマップと同様、メッシュごとに建物の全壊率を算出し、地図上の示したマップになります。建築基準法はこれまで数度の改定が行われ、改定ごとに耐震基準が厳しくなってきました。このことにより、まず、家屋を建てた時期を建築基準法が改定された年度前後でグループ化し、また、建物の構造(木造か非木造か)でもグループ化します。各グループの全壊率を算出し、全グループの全壊率を重ねあわせることにより、地域の危険度が算出されます。

液状化危険度マップは揺れやすさマップで算出された計測震度と地形条件を元に液状化の可能性を判定し、それを地図上に示したマップになります。液状化は発生する条件が決まっていて、「地盤が砂質土である」、「地下水位が高い」、「ゆるく堆積している」、「砂質土の粒径が揃っている」が満たしていると液状化しやすくなります。先の東日本大震災では千葉県浦安市を代表する東京湾岸の埋立地で液状化の被害が甚大でした。「埋立地=液状化する」との認識がありますが、条件が満たしていない地盤は液状化していませんでした。また、一見液状化の条件を満たしていないと思われる内陸の土地でも、表層地質の数m下に条件を満たした地層がある場合には液状化してしまいます。過去、沼や河川、水田などであった場所を盛土して造成した住宅地などの土地は注意が必要となります。

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出典:埼玉県鶴ヶ島市作成の地震ハザードマップを使用しました